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2024/12/13

キーエンス流エンプラ開拓~決裁者の心を掴む寝技営業~ロゴトルラジオ対談記事

株式会社アレグリア代表取締役の小野松氏は、キーエンスで5年半にわたりトップセールスとして活躍。京都の同志社大学時代には人力車の営業で顧客対応を学び、その後キーエンスに入社。製造業を中心に新規開拓からエンタープライズ営業まで幅広い経験を積んできた。現在は、その経験を活かして営業コンサルティングや営業代行を手がける。本対談では、キーエンス時代に培った営業手法や、エンタープライズ営業で成功を収めるためのポイントについて語っていただいた。

アレグリア社の事業内容のご紹介

橋本:まずは、小野さんがどのような事業を展開されているのか、アレグリア社についてお聞かせください。

小野松:現在、大きく3つの事業を展開しています。1つ目が営業のコンサルティング。既存の営業組織に対して改善提案や戦略の立案をお手伝いしています。2つ目が営業代行で、アポイント獲得からクロージングまでを一貫して請け負います。そして3つ目が、これらを組み合わせた新規事業の立ち上げ支援です。

橋本:創業のきっかけは何だったのでしょうか?

小野松:キーエンス在籍中、お客様に「キーエンスの営業ノウハウをセミナーで教えてほしい」と言われたのがスタートでした。当時、キーエンスの営業手法に注目が集まり始めていた時期で、そこにニーズがあることに気づいたんです。実は、キーエンスの先輩方がYouTubeで情報発信を始めたり、書籍を出版したりする時期とも重なっていて、世の中にキーエンスという会社の凄さが広まり始めていた時期でもありました。

橋本:キーエンス出身者の方々が様々な分野で活躍されていますね。

小野松:そうですね。例えばMA総研の相模さんは、北関東でマネージャーをされていた方ですし、セールスフォースやジョンソン・エンド・ジョンソンといった外資系企業でもキーエンス出身のマネージャーが活躍しています。キーエンスで培った営業スキルは、業界を問わず通用する普遍的なものだと考えています。

キーエンス流の営業マインド

橋本:キーエンスでトップセールスになられた秘訣を教えていただけますか?

小野松:私が最も重視していたのは、新規開拓です。最初の配属が鳥取県や島根県といった過疎地域で、既存顧客が少なかったこともあり、新規開拓に徹底的に取り組みました。キーエンスは戦国大名のように、地図の中の担当エリアを任されるんです。私の場合は、過疎地域でしたから、お客様も少なければ仕事もない。だからこそ、新規開拓に全力を注ぎました。

橋本:具体的にどのような取り組みをされていたのでしょうか?

小野松:重要なのは、リードタイムの短縮です。通常3~6ヶ月かかる商談を、いかに短期間で成約に持ち込むか。そのために、製造業の特徴をうまく活用しました。例えば、課長クラスであれば20万円以下の決裁権限を持っているケースが多い。そこで、まずは5,000円のケーブルでも、消耗品でも、とにかく小さな商材から提案していきました。

橋本:キーエンスならではの特徴的な採用や育成方法もあるそうですね。

小野松:はい。キーエンスは創業以来30年以上のデータを持っていて、過去の成功事例から導き出された人物像があります。採用時には心理テストや性格診断を2、3回実施し、その人物像に合致する人材を採用しています。面接での瞬きの回数まで数値化するほど、徹底したデータ管理を行っているんです。私自身、リモートワーク時代にマウスのホイール回転数が他の社員より少ないと指摘されたこともありました。

決裁者の心を掴むテクニック

橋本:最近はIT業界でも自動化やオンラインでの商談が主流になってきていますが、その点についてはどうお考えですか?

小野松:特に製造業のお客様は、人間味のある対応を重視されます。例えば、日程調整ツールは便利ですが、私はあえて手間のかかる方法を選びます。台風の中、ヘルメットをかぶって工場に足を運び、診断書を作成して5,000円のケーブルを提案する。そういった誠意ある対応が、お客様の心に響くんです。

橋本:IT企業が製造業に参入する際の課題も多そうですね。

小野松:そうですね。ITプロダクトを製造業や建設業に展開しようとする際、これまでの効率重視のアプローチだけでは行き詰まるケースを多く見てきました。お客様が普段どのような業務をされているのか、どのような商談スタイルに慣れているのかを理解し、それに合わせたアプローチが必要です。

橋本:エンタープライズ営業で特に意識されていることはありますか?

小野松:業界への深い理解が不可欠です。例えば、製造業では重層的な取引構造があり、それぞれの立場や関係性を理解することが重要です。トヨタを頂点とした系列企業の構造や、一次下請け、二次下請けの関係性など、業界特有の構造を理解していないと、適切なアプローチができません。特徴的なのは、製造業では皆さんが同じ現場にいらっしゃることです。そのため、大手企業の方々とも直接コミュニケーションを取る機会が多いんです。

橋本:製造業ならではの商談の特徴というものはありますか?

小野松:現場重視の文化が根付いています。お客様も現場で働いているため、実際に足を運んで課題を見つけ、具体的な改善提案をすることが大切です。私は必ず現場に足を運び、工場診断のレポートを作成します。そういった地道な努力が、最終的には大きな案件につながっていくんです。

橋本:Webマーケティングなど、他分野でもその手法は活かせそうですね。

小野松:その通りです。例えばWebマーケティングの提案でも、事前に相手のホームページを徹底的に分析し、具体的な課題と改善案、そこから得られる効果を数値化して提示します。「ここを改善すれば、このくらいのコンバージョン向上が見込める」といった具体的な提案ができれば、たとえ1万円、3万円の小さな案件でも、お客様は検討してくださいます。重要なのは、相手の業務や課題を深く理解し、具体的な解決策を提示することです。

橋本:本日は貴重なお話をありがとうございました。最後に、これから営業職を目指す方へメッセージをお願いします。

小野松:営業の本質は、お客様の課題を理解し、解決することです。私の場合は、現場に足を運び、お客様と同じ目線で課題を見つけ、解決策を提案してきました。効率化も大切ですが、人間味のある対応を忘れないでほしいですね。そして何より、新規開拓への意欲を持ち続けることが重要です。最初は小さな案件かもしれませんが、そこから信頼関係を築き、大きな成果につながっていくはずです。

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