BDR ベンチマーク
全業種公開。
「うちの BDR の数字、正常? 異常?」を判断する基準が、これまで業界には無かった。 LOGOTORU は業界平均値を月次で無料公開します。 自社の数字を入れれば、3 分で業界中央値との差分が出ます。
最終更新: 2026 年 6 月 19 日 / 著者: 橋本 周平 (リレーションシップ合同会社 代表)
TL;DR
BDR 業界には共通の判定基準が無いため、「うちの数字は良いのか悪いのか」を経営層に説明できない。 LOGOTORU は有効会話率 / ネガティブ反応率 / 残存率 / 健全性スコア / ROI の 5 指標を業界横断で月次集計し、 Market Index として無料公開している。本記事は業種別の摩耗パターンと自社と照合する 5 ステップをまとめた手順書。
SECTION 1
なぜ業界平均値を無料公開するのか
BDR を運用している組織で、こんな会話を聞いたことはないでしょうか。 「先月のネガ率 22% って、これって普通? それとも悪い?」 「有効会話率 14% は業界的にどうなんだ?」 「うちのリスト残存率が 55% に落ちたけど、これは焦るべき水準?」
こうした問いに対して、これまで業界には共通の判断基準が存在しませんでした。 各社が「自社の去年との比較」「コンサルが言ったらしい体感値」「外資 SaaS の海外ベンチマーク」など、バラバラの基準で経営判断していたのが現実です。 その結果、続けるか・止めるかの判断が感覚と政治で決まり、後から振り返ると「もっと早く止めるべきだった」という事例が頻発していました。
LOGOTORU はこの状況を変えるために、エンタープライズ BDR の業界平均値を匿名集計で月次更新・無料公開することを 2026 年 5 月に始めました。 目的は単純で、「市場の事実を公開知にする」こと。 個社の数字を晒すのではなく、業界全体の median を出すことで、各社が「うちは中央値より上 / 下」を即座に判断できる状態を作る。これが LOGOTORU Market Index です。
SECTION 2
ベンチマークの 5 指標
BDR の活動を「市場との対話」として捉えると、観測すべき指標は次の 5 つに集約されます。
有効会話率 (Effective Conversation Rate)
本人と会話できた人数 ÷ 接触を試みた人数
市場の受容性。「あなたの声を聞きます」と答えてくれる割合。
健全
20% 以上
警戒
10-20%
危険
10% 未満
ネガティブ反応率 (Negative Reaction Rate)
拒否反応の人数 ÷ 有効会話できた人数
市場の鮮度。話せた相手のうち何割が「不要」「断る」と答えるか。
健全
10% 未満
警戒
10-30%
危険
30% 以上
ネガパーソン蓄積率 (Negative Person Accumulation Rate)
累積で拒否された人数 ÷ アクティブパーソン数
リスト全体の汚染度。市場保護の「強制停止ライン」の基準。
健全
5% 未満
警戒
5-20%
危険
20% 以上
リスト残存率 (Remaining Rate)
(まだアプローチ可能な人) ÷ アクティブパーソン数
リスト母数の枯渇具合。継続性のスコア。
健全
70% 以上
警戒
40-70%
危険
40% 未満
健全性スコア (Health Score)
5 指標を 0-15 で統合 → 0-100 にスケーリング
総合的な市場体力。経営層への 1 数字レポートに最適。
健全
70 以上
警戒
40-70
危険
40 未満
SECTION 3
業界全体の median 値 — 最新の Market Index
最新の集計値は LOGOTORU Market Index にライブ表示されています。 本記事では、ベンチマークの「読み方」を解説します。
Market Index には 4 つの KPI カード (上段) と、3 つの分布チャート (中段)、月次トレンド (下段) が並びます。 読むときの優先順位は次の通り:
- 健全性スコアの分布 (ヒストグラム): 自社が分布のどこに位置するかを確認。中央値より低ければ要注意。
- CONTINUE / ADJUST / STOP の比率 (ドーナツチャート): 業界全体のどれくらいが「止めるべき」と判定されているかの肌感。
- バブルチャート (ネガ率 × 有効会話率): 自社の位置と、健全な企業群の位置の差を視覚化。
- 月次トレンド: 業界全体の方向性。市場全体が悪化しているのか、改善しているのか。
Market Index の数字は「正常値」ではなく「観測値」です。 業界全体が悪化している月には median 自体が悪化します。だから「median を超えていれば安心」ではなく、 「median と健全な水準 (緑信号) の両方から見て、自社がどこにいるか」を毎月確認することが正しい使い方です。
SECTION 4
業種別の傾向 — 摩耗パターンは業種で異なる
業種別の median 値は、各業種のサンプル数 (n) が一定 (各業種 n≥10) に達した段階で順次公開予定です。 ここでは、複数社の支援経験から見えてきた業種別の摩耗パターンを定性的に整理します。
B2B SaaS
ネガ率 15-25% / 有効会話率 12-18% が中央値帯。業界内の情報伝播が早く、同業他社が同じ部署を攻めている率が高い。 VP Sales / RevOps Director を狙う層は飽和気味で、Manager 層への分散 + プロダクト固有の角度で差別化しないと反応が落ちやすい。
製造業
ネガ率 18-30% / 有効会話率 10-16%。母集団は大きく、量で押せる業種に見えるが、DX 推進部門が一斉に「もう連絡してこないで」モードに入っている時期がある。 業界カンファレンスや業界誌の話題に乗せたメッセージ設計が効く。執行役員〜部長級は逆に空いていることが多い。
金融 / 保険
ネガ率 25-35% / 有効会話率 8-14%。コンプライアンスとセキュリティへの懸念が強く、初回接触で「営業に見える」要素があると即ネガ。 業界事例 + 監査・規制への配慮を冒頭に置くと有効会話率が跳ねる。母集団は小〜中規模 (大手 3 メガ + 地銀グループ) で、半年で枯渇しやすい。
医薬品 / ヘルスケア
ネガ率 20-30% / 有効会話率 12-16%。決裁プロセスが長く (6-12 ヶ月)、商談化までの距離が遠い。 ただし一度入ると LTV が極めて長い業種。リサーチパッケージ・PoC 型のアプローチが効き、量より質のチャネル設計が必須。 研究開発部門は母集団が小さく (主要 30 社で n=2,000 前後)、3-4 ヶ月で摩耗するリスク高。
流通 / 小売
ネガ率 15-22% / 有効会話率 13-19%。母集団は大きく、ネガ率は比較的低い。 ただしネガ反応が広く分散するため、月次集計で見ると「ちょっと悪化」程度にしか見えない。 気付くと累積ネガパーソン蓄積率が 25% を超え、強制停止水準に達している事例が多い隠れ摩耗型。
SECTION 5
自社のベンチマークを業界平均と照合する 5 ステップ
- STEP 1
先月の接触ログから 5 つの数字を集める
月間アプローチ人数 / 有効会話人数 / ネガティブ反応人数 / 累積で拒否された人数 / アクティブなパーソン数。BDR の CRM か Excel から集計可能。
- STEP 2
3 つの率を計算する
有効会話率 = 有効会話 ÷ アプローチ / ネガ率 = ネガティブ反応 ÷ 有効会話 / ネガパーソン蓄積率 = 累積拒否 ÷ アクティブパーソン。
- STEP 3
Market Index で median と照合する
Market Index ページにアクセスし、ヒストグラム上で自社の位置を確認。中央値の左右どちらにいるか、健全帯にいるかを目視。
- STEP 4
自社の業種に絞った median を確認
同じ業種のセグメントを選び、median 値と自社を比較。乖離が大きい指標を特定する (= 直近 30 日で打つべき手の特定)。
- STEP 5
市場健全性診断で CONTINUE / ADJUST / STOP 判定
/diagnose/ に自社の数字を入れると 3 分で判定 + 6 ヶ月の ROI 試算 + 推奨アクション 3 つが表示される。匿名・無料。
SECTION 6
Index の継続更新と母集団
Market Index の数字は、診断結果が積み上がるごとに継続的に更新されます。新しい診断が登録されると、median が再計算され、ヒストグラム・分布チャートに反映されます。
母集団 (n): 2026 年 6 月時点で n=35 (テナント単位)。複数社のエンタープライズ BDR の接触ログから集計。 診断結果が積み上がるごとに継続的に増えます。Market Index ページに最新の n と更新日付を表示しています。
プライバシー: 個社名・個人特定情報は集計対象外。メアドを入力しない限り完全匿名で集計値に加算されます。 集計のみで再現できない方法で保管しているため、業界横断の median 値だけが残り、個社の数字は保持されません。
業種別の median 公開: 業種ごとの集計サンプルが n≥10 に達した時点で、業種別 median を Market Index 内で公開予定です。 現時点では本記事 SECTION 4 で定性的な傾向を解説しています。
FAQ
よくある質問
BDR ベンチマークとは何ですか?
BDR の活動成果を定量化した業界平均値。有効会話率・ネガティブ反応率・残存率・健全性スコア・ROI の 5 指標を、複数社の接触ログから匿名集計した median 値で構成されます。Market Index で月次更新の数値を無料公開しています。
なぜ業界平均値を無料公開しているのですか?
BDR 業界には共通の判断基準が存在せず、各社が孤立した感覚値で経営判断していました。LOGOTORU は「市場の事実を公開知にする」ことが業界全体の判断品質を上げると考え、集計値を月次公開しています。
ベンチマークの母集団はどれくらいですか?
2026 年 6 月時点で n=35 (テナント単位)。診断結果が積み上がるごとに継続的に増えます。Market Index ページに最新の n と更新日付が表示されます。
業種別の数字も見られますか?
現時点では業界全体の median を公開し、業種別は各業種 n≥10 で順次公開予定です。本記事 SECTION 4 で業種別の定性的な傾向を先行解説しています。
自社の数字を入れたら他社に見られますか?
見られません。診断で入力した数字は、メアドを入力しない限り完全匿名で集計値に加算されます。会社名・個人特定情報は集計対象外。
まずは業界平均値を見る → 自社と照合する
Market Index で業界全体の中央値を確認したら、自社の数字を市場健全性診断に入れて差分を出す。 所要 5 分・登録不要・匿名・無料。