CHAPTER 03
レイヤー設計 — CXO / 部長 / 課長層別のアプローチ
2026 年 6 月 19 日 / 橋本 周平
エンプラの意思決定は分散しています。「決裁者一人に届けば商談」が成立せず、複数レイヤーの合意が必要。本章では、3 つのレイヤー (役員層 = Layer 5-8 / 部長 = Layer 4 / 課長 = Layer 3) ごとのアプローチ設計を解説します。Layer の番号は LOGOTORU OS の区分 (担当 1 / 係長 2 / 課長 3 / 部長 4 / 執行役員 5 / 取締役 6 / 副社長 7 / 社長 8) に合わせています。
FIGURE 3-1
3 レイヤーの役割と接触チャネル
レイヤー設計の原則
- 1 社 3-5 名に同時並行で接触する
- 各レイヤーに異なるメッセージを設計する
- 接触頻度はレイヤーが上ほど少なく深く
- レイヤー間で「同じネタを使わない」(被ると印象が薄れる)
Layer 5-8: 役員層 (執行役員〜社長)
目的: 戦略賛同を取る。「方針として一緒にやる価値」を腹落ちさせる。
メッセージ: 業界全体の動向 + 自社競合との位置づけ + 経営インパクト。プロダクト機能の説明はゼロでよい。
チャネル: 手紙 (代表名義 + 個人宛) / 紹介経由のイベント / 業界誌寄稿への返信。
頻度: 3-6 ヶ月に 1 回、深い切り口で。月次接触は逆効果。
決裁者向け手紙の開封率を上げる工夫 も参照。
Layer 4: 部長級
目的: 実質決裁者として商談を進める。予算・人員・タイミングの判断者。
メッセージ: 自部署の課題に直接効くポイント + ROI 試算 + 競合導入事例。「30 分商談で聞きたいこと」を 3 行で明示。
チャネル: メール + 電話 + LinkedIn の組み合わせ。手紙は初回のみ。
頻度: 6-8 週間サイクル。返信があれば 1 週間以内にフォロー。
Layer 3: 課長級 / シニア IC
目的: ユーザー視点の評価者。「現場で使えるか」を判断。
メッセージ: 機能の具体的な動き / デモ環境 / トライアル提案。経営メリットより「自分の業務がどう楽になるか」。
チャネル: LinkedIn + ウェビナー誘導。メールは個別ニーズに合わせた事例共有。
頻度: 4-6 週間サイクル。デモを 2 回まで実施 OK。
レイヤー間の連携
各レイヤーが「別経路で同じ会社の名前を聞く」状態を作るのが理想です。CXO は手紙で覚え、部長級は商談で話し、課長級はデモで触る。これにより「あの会社、本格的に提案してきてるな」という社内認知が形成されます。
逆に、レイヤー間で同じネタを繰り返すと、社内で「同じ営業が連発」と共有されやすくなります (経験則)。なお、同じ人への接触回数については、当社の観測では回数を重ねても拒否率は上がりませんでした (観測レポート)。問題は回数よりも中身の重複です。
レイヤー設計テンプレ
月次レビュー会議で使う「1 社あたり 3-5 名」のレイヤー設計テンプレ:
会社: 株式会社XXX (業種: SaaS, 規模: 200名)
Layer 5-8 (役員層):
- 山田太郎 (CEO): 手紙 (1月発送) / 4月再接触予定
- 鈴木次郎 (CRO): LinkedIn (3月接触) / 返信無し → 6月手紙
Layer 4 (部長):
- 佐藤花子 (営業企画部長): 商談済 (3月) → 提案フォロー中
- 田中三郎 (RevOps部長): メール送信 (5月) → 返信待ち
Layer 3 (課長):
- 高橋四郎 (営業推進課長): デモ実施 (4月) → 評価中
これを 100 社分管理することが、エンプラ BDR の運用の本質です。LOGOTORU OS では、会社ごとに人物・レイヤー・接触履歴をまとめて管理できます。